漢方の豆知識

漢方薬は顆粒?粉?煎じ薬?どれがいいの??

「漢方薬って粉ですよね、粉薬苦手なんですよ」

 

相談中によく言われる言葉ですが・・・

 

必ず粉というわけではないのです!

 

「え!?そうなの??!!」

 

って思われたあなたはこの記事を読んでみてください。

 

漢方薬局が煎じ薬を勧めている理由が分かります。

 

この記事はこんな方におすすめ

  • 漢方薬って粉しかないよね?と思われている方。
  • 今現在粉タイプの漢方薬を飲んでいる方。
  • 今病気や症状で悩んでいるが何を飲んでも効果がない方。

漢方薬の薬の形って主なのは4つです。

 

日本薬局方(薬について決められたルールようなもの)の中には生薬が関係している製剤は10種ぐらいあります。

 

「ええ~~そんなにあったの!?」って思いますよね。

 

例えば葛根湯のドリンク剤って見たことありますよね?

 

あれも日本薬局方の中では生薬を含んだお薬という区分になります。

 

そんないっぱいある中でも

 

エキス剤

 

② 散剤

 

③丸剤

 

煎じ薬(煎剤)

 

についてお話しようと思います。

その4つの薬についての形の違いってなんだろう?

 

①エキス剤は煎じた液体を乾燥して粉にした漢方薬です。

エキス顆粒よりも煎じ薬をオススメします。

 

「漢方薬飲んでるけどこんな形してるやつ飲んでる!」

 

「うちのお母さんが飲んでたようなきがするなぁ」

 

そう思われましたよね?これがエキス剤です。

 

生薬を似た液体を加熱、乾燥させ、粉状にして飲みやすく作っているんです。

 

利点は利便性です。

 

煎じ薬のように作る手間が必要ないこれに尽きると思います。

 

勿論欠点があります。

 

欠点その1 エキス剤は成分が飛んでいる可能性がある。

 

エキス剤は本来煎じ薬から「乾燥」という手間を一つ加えております。

 

この「乾燥」という作業が漢方薬から「精油」という成分を飛ばしてしまう可能性があります。

 

「精油」というのは匂いの成分のことです。

 

たとえばアロマセラピーってご存知ですよね?

 

「香りでリラックス~」なんていうこともあながち間違いではないと思っております。

 

漢方薬も匂いが大事です。

 

漢方薬について大事な匂いの成分が飛んでしまっている可能性があるからです。

 

欠点その2 中身の生薬の質が悪い場合もある。

 

漢方薬は生薬の質が重要といわれています。

 

煎じ薬であれば漢方家が生薬自体を見て選ぶことが出来ます。

 

エキス剤ですと顆粒になっているので生薬の質がいいかどうかわかりません。

 

近年漢方薬の副作用報告がされていますが、質の悪いもの長期に使うと良くない、と最近の副作用報告を見ていると私は思います。

 

②散剤は生薬自体を粉砕した粉を混ぜた漢方薬です。

 

加味逍遙散五苓散当帰芍薬散などは「散」という名前がついております。

 

「散」と書かれている漢方薬は「散」で飲んでいただくのが正しいということですね。

 

「散」っていうのは粉という意味です。

 

欠点としては少し飲みにくいところでしょうか。

 

イメージとしてはきな粉みたいな舌触りです。

 

散剤は生薬を集めて粉砕したものです。

 

利点は本来の形で飲んでもらうほうが効果が高いと考えられます。

 

「お、私の加味逍遙散は粉だからオッケーってことね♪」

 

残念ながら…それはよく読んでいただくと

 

当帰芍薬散エキス顆粒、加味逍遙散エキス顆粒

 

エキス顆粒って書いてますよね?

 

それはエキス剤という分類になります。

 

③丸剤は生薬の粉をはちみつで丸めた漢方薬です。

 

桂枝茯苓丸牛車腎気丸八味地黄丸

 

今回は「丸」とついておりますね。

 

丸剤は散剤をはちみつなどと混ぜて丸めたお薬のことです。

 

利点は粉薬と違い飲みにくさはないです。

 

その代わり1回に10丸、20丸飲んでいただく必要がございます。

 

また、丸剤を作っているメーカーが少ない。=漢方の処方全てが丸剤であるわけではない。

 

というところもデメリットの一つかもしれませんね。

 

④煎じ薬は生薬を土瓶やホーロー鍋で煎じて作る漢方薬です。

 

 

煎じ薬とは生薬を煎じた液体を飲む形のことを言います。

 

一日分ごとに薬草パックというものに入れてお渡ししています。

 

これを土瓶に入れて煎じて、できた液体を一日2~3回に分けて飲みます。

 

昔の漢方薬はほとんど煎じて飲ませるのが主流でした。

 

例えば一番有名だと思われる葛根湯

 

花粉症の季節に良く使われる小青竜湯

 

体の疲れているときに使う十全大補湯補中益気湯

 

大多数の漢方薬には「湯」という言葉が入っていますよね?

 

「湯」というのはまさしく煎じて作って飲んでいたから「湯」と入っているのです。

 

あなたが今飲まれている漢方薬も「湯」って書いていますか?

 

もし入っていれば煎じ薬が本来の形であるため、煎じ薬の方が効果は高いと思われます。

 

欠点としてはご自身で作る必要があるため手間がかかるというところでしょうか。

 

手間といってもそこまで大変ではないですし、今は自動で煎じてくれる機械もあります。

 

私もよく飲みますが、スマホでネットサーフィンしながら出来上がるのを見てます。

 

そんな作る必要がある煎じ薬をオススメするのは当然利点があるからです。

 

利点その1 生薬の質を確認することが出来る。

 

漢方薬は生薬の集合体です。

 

それぞれの生薬にももちろん「質」が関係してきます。

 

エキス顆粒や丸剤ですと形として完成しているので、中身にどのようなものを使っているかわからないという欠点があります。

 

利点その2 精油と呼ばれる成分が飛んでいないところ。

 

エキス顆粒は本来の形からさらに加熱・乾燥を加えることによってつくられるとお話ししました。

 

上にも書きましたが、匂いの成分が飛んでしまう可能性があります。

 

つくっている間にもいい匂いがしてきますので匂いを楽しみながら作って飲む、それが一番効果があると私は思っています。

 

いい香りのする漢方薬を楽しみましょう

 

まとめ、効果の良い煎じ薬、手軽なエキス顆粒

 

生薬の質を確認することが出来て、匂いの成分が残っている煎じ薬の方がオススメされる理由が分かりましたね。

 

勿論エキス顆粒の漢方薬や散剤を使う漢方薬局もあります。

 

当店でもお客様のお悩みのレベルや生活の忙しさなどを考えてエキス顆粒をオススメするか、煎じ薬をオススメするか選んでおります。

 

又エキス顆粒もメーカー特色が出てることもあります。

 

精油の成分が少なくなることを考慮して少なくなる部分を多めに入れて作ったりしてるメーカーさんもございます。

 

漢方薬局で本当にこだわっているところでしたらそのようなお話もされます。

 

もし行き付けの漢方薬局がありましたら一度どうしてこのメーカーさんなの?って聞いてみても面白いかもしれませんね。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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  • この記事を書いた人

クッキー先生

●開局40年、神皇漢方薬局の二代目相談担当 ●関西伝漢研理事長 本当に効果のある漢方薬の選び方やあなたに合わせた健康法をご提案できるように常に努力しております。

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