産後うつと漢方

出産後、笑顔になれない自分に戸惑っていませんか?

出産を終えたはずなのに、心が晴れない。

赤ちゃんはかわいいのに、涙が出てしまう。

眠れない、食欲がない、気分が沈む――。

そんな「産後うつ」の症状は、決して珍しいことではありません。

多くの方が「自分が弱いから」と思い込み、一人で抱え込んでしまいますが、

実はそれは体と心が助けを求めているサインなのです。

産後うつとは? ~マタニティーブルーとの違い~

出産後の女性は、ホルモンの変動・睡眠不足・育児ストレスなどによって心身のバランスを崩しやすくなります。

● マタニティーブルーとの違い

  • マタニティーブルー:出産後3日〜2週間ほどで一時的に気分が落ち込むが、多くは自然に回復。
  • 産後うつ:2週間を過ぎても気分の落ち込みや無力感が続き、日常生活に支障をきたす状態。

近年は、「育児うつ」や「産後不安障害」として幅広く扱われるようになっており、

早めのケアがとても大切です。

産後うつによく見られる症状

  • 朝起きた瞬間から気分が重い
  • 食欲がない、または過食してしまう
  • 不安や焦りが止まらない
  • 夜眠れない、途中で目が覚める
  • 涙もろくなる
  • 赤ちゃんをかわいいと思えず、自分を責めてしまう
  • 疲れが抜けず、体がだるい

これらの症状は、心の問題だけではなく体のエネルギー不足やホルモン変動も深く関係しています。

なぜ産後にうつが起こるのか?

① ホルモンの急激な変化

妊娠中に高まっていた女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)は、出産後に急激に減少します。

この変化は、神経伝達物質や自律神経にも影響し、情緒の安定を難しくします。

② 出産による体力・血の消耗

出産は想像以上にエネルギーを消耗します。

漢方では「出産で気と血が失われる」と考えられ、心を支える栄養が不足すると、気分の落ち込みや不安が強まりやすくなります。

③ 育児ストレスと環境の変化

夜泣きや授乳による睡眠不足、孤独感、家事・育児の両立などが重なり、心のエネルギーを削ります。

現代はサポートが得にくい環境も多く、負担が大きくなりやすいのが現実です。

漢方から見た産後うつ

漢方では、産後うつを「心身のエネルギーと血の不足」「気血の滞り」として捉えます。

出産は生命を生み出す大きな仕事であり、同時に多くの「気血(エネルギーと血液)」を消耗します。

東洋医学での主な3つのタイプ

● 血虚(けっきょ)タイプ

出産で血を多く失い、心身を養う栄養が不足している状態。

顔色が悪く、めまいや不安、動悸、涙もろさなどが見られます。

→ 血を補い、心を安定させる漢方を用います。

(例:当帰芍薬散、加味帰脾湯など)

● 瘀血(おけつ)タイプ

血流の滞りが生じ、体が重く、イライラ・肩こり・頭痛などが出るタイプ。

感情の詰まりや怒りの抑圧が原因になることもあります。

→ 巡りを整え、血の流れを促す漢方で改善します。

(例:桂枝茯苓丸、桃核承気湯など)

● 気滞(きたい)タイプ

ストレスや育児の緊張から、気の流れが滞るタイプ。

ため息が多く、胸のつかえ、イライラ、不眠が出やすい傾向。

→ 気の巡りをよくし、自律神経のバランスを整える処方を使います。

(例:加味逍遙散、柴胡疏肝散など)

これらの状態が重なっているケースも多く、

「気・血・水」の巡りを総合的に整えることが、根本改善につながります。

神皇漢方薬局でのサポート

神皇漢方薬局では、産後うつに悩む方が安心して相談できるよう、

お一人おひとりの体質に合わせたケアを行っています。

  • 授乳中の方も相談可能
  • 家族と一緒に話せるカウンセリング対応
  • 睡眠・栄養・ストレスケアまでトータルで提案
  • 無理なく続けられる漢方プラン

私たちは「心と体はつながっている」という視点から、

母として、ひとりの人としてのあなたを支えるサポートをしています。

まとめ

産後うつは「心の弱さ」ではなく、体のエネルギーとバランスが崩れているサインです。

回復には、心と体の両方から整えることが大切です。

もし今、気持ちが沈んでつらいと感じているなら、

焦らず、まずはお話しを聞かせてください。

あなたの体質に合わせた漢方で、

少しずつ「心のゆとり」と「笑顔」を取り戻していきましょう。

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