漢方の豆知識

漢方薬の剤形(エキス顆粒・散剤・丸剤・煎じ薬)の違いと相談時に確認したいこと

漢方薬には「エキス顆粒」「散剤」「丸剤」「煎じ薬」などの剤形(薬の形)があり、それぞれに特徴があります。剤形やメーカーの違いによる体感が気になる方に向けて、剤形ごとの特徴と、漢方相談で確認している観点を中立的にまとめました。

漢方薬は医薬品です。自己判断での服用開始・服用中止や剤形の変更は避けて、まずは主治医・薬剤師にご相談ください。

このページの位置づけは以下の3点です。

  • 漢方薬の主な剤形(エキス顆粒・散剤・丸剤・煎じ薬)の違いを中立的に整理する
  • 剤形やメーカーの違いで気になる点を、漢方相談で確認する観点を紹介する
  • 特定の剤形を断定的に推奨するページではない

このページは情報提供であり、特定の方の治療効果や効能を保証するものではありません。

こんな方を想定したページです
・漢方薬の剤形の違いがわからず、どれを選べばよいか迷っている
・現在の漢方薬の剤形を変えてみたいが、自己判断で変更してよいか不安
・メーカーや剤形の違いで体感が変わるのか気になる
・煎じ薬・エキス顆粒・散剤・丸剤の特徴を比較したい

漢方薬の主な剤形は4種類

日本薬局方(薬の品質基準)では、生薬を含む製剤として複数の剤形が定められています。市販品・医療用医薬品として広く流通している漢方薬の剤形は、主に以下の4種類です。

  1. エキス剤(エキス顆粒):煎じ薬から成分を抽出し、加熱・乾燥して粉状にした剤形
  2. 散剤(さんざい):生薬そのものを粉砕して混ぜた剤形
  3. 丸剤(がんざい):生薬の粉を蜂蜜などで丸めた剤形
  4. 煎じ薬(せんじやく / 煎剤):生薬を煎じた液体を飲む剤形

それぞれの剤形には、製造工程・取り扱い・服用のしやすさ・取り扱う店舗などに違いがあります。一律に「どの剤形が良い/悪い」と決まっているわけではなく、個別の体質や生活状況・服薬状況に応じて、医師・薬剤師との相談で確認していきます。

①エキス剤(エキス顆粒)

エキス剤は、生薬を煎じて抽出した液体を、加熱・乾燥させて粉状に加工した剤形です。医療機関で処方される漢方薬や、ドラッグストアで購入できる漢方薬の多くがこの剤形です。

特徴

  • 製造工程で計量・規格化されているため、服用量が一定
  • 持ち運びや保管がしやすく、服用までの手間が少ない
  • 加熱・乾燥の工程を経るため、生薬本来の香り成分(精油など)の一部が変化する可能性がある

医療機関で処方される漢方薬や、市販のパッケージ表記が「○○エキス顆粒」となっているものは、この剤形に該当します。例えば「当帰芍薬散エキス顆粒」「加味逍遙散エキス顆粒」のような表記です。

②散剤

散剤は、生薬そのものを粉砕して混ぜた剤形です。原典の処方名に「散」がついている漢方薬(加味逍遙散・五苓散・当帰芍薬散など)は、本来は散剤として用いられてきた歴史があります。

特徴

  • 生薬を直接粉にしているため、生薬本来の成分が含まれる
  • 服用時の口当たり・舌触りが粉状(きな粉のような感触)
  • 取り扱う店舗が限られる場合がある

ただし、市販品・医療用で「○○エキス顆粒」と表記されているものは、処方名に「散」がついていてもエキス剤に分類されます。剤形を確認したい場合は、添付文書や薬剤師にご確認ください。

③丸剤

丸剤は、生薬の粉を蜂蜜などで丸めて固めた剤形です。原典の処方名に「丸」がついている漢方薬(桂枝茯苓丸・牛車腎気丸・八味地黄丸など)は、本来は丸剤として用いられてきた歴史があります。

特徴

  • 飲みにくさが少なく、粒として服用できる
  • 1回の服用で10〜20粒など、複数粒を飲む必要がある
  • 取り扱うメーカーが限られるため、流通している処方の種類は他剤形より少なめ

市販品・医療用で「○○エキス顆粒」と表記されているものは、処方名に「丸」がついていてもエキス剤に分類されます。

④煎じ薬

煎じ薬は、生薬を土瓶やホーロー鍋・自動煎じ器などで煎じて、液体を飲む剤形です。古典に「○○湯」と記載された処方の多くは、本来この剤形で用いられてきました(葛根湯・小青竜湯・補中益気湯など)。

特徴

  • 生薬を直接見て確認できる場合がある(取り扱い店舗による)
  • 香り成分(精油など)が比較的そのまま含まれる
  • 服用前に煎じる手間がある(自動煎じ器を使う方法もある)
  • 取り扱う店舗が限られる場合があり、価格帯はエキス剤と異なる傾向

医療機関で煎じ薬を処方できる場合と、エキス剤のみ取り扱う場合があります。煎じ薬での服用をご希望の場合は、処方元の医療機関や漢方薬局にご確認ください。

剤形・メーカーの違いで気になる場合に、漢方相談で確認している観点

漢方薬の剤形やメーカーの違いによって体感が変わるのではないか、と気になる方もいらっしゃいます。漢方相談では、その時に以下のような観点を一緒に確認していきます。あくまで一般的な観点で、個別の判断は実際のご相談で行います。

①現在の服用状況を確認する観点

まずは現在服用されている漢方薬の 製品名・剤形・メーカー・1日の服用量・服用期間・服用タイミング を整理します。お薬手帳や添付文書、商品パッケージなどがあれば、ご相談時にお持ちいただけるとスムーズです。

医療機関で処方されている場合は、処方医の指示に従って服用されることが基本で、剤形変更を希望される場合も処方医・薬剤師にご相談ください。

②体質・症状の状態を確認する観点

体質や症状の状態によって、ご相談時に確認する内容は異なります。漢方相談では、医療機関での診断・治療を尊重しながら、体質・症状の現れ方・服薬状況・生活状況をお伺いした上でご相談を進めます。

③剤形やメーカーによる違いの観点

剤形(エキス剤・散剤・丸剤・煎じ薬)の違い、同じ剤形内でもメーカーごとの製造工程の違いによって体感が変わる可能性があります。剤形・メーカーの変更については、自己判断ではなく、処方元の医師・薬剤師にご相談ください。

先に医療機関で確認したい状況
以下のような状況がある場合は、剤形やメーカーの調整に先行して、医療機関での評価をご検討ください。
・症状が短期間で急に悪化している
・発熱・激しい痛み・出血・呼吸苦などを伴う
・服用中の漢方薬で副作用が疑われる症状(むくみ・血圧変動・脱力感・発疹など)がある
・妊娠の可能性がある・妊娠中・授乳中である
これらの状況では、剤形比較の前に、医療機関での評価が優先されます。

関連する情報

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漢方相談のご予約・お問い合わせ

漢方薬の剤形について「現在の剤形で続けてよいか」「剤形を変えたら体感が変わるのか」などでお悩みの方は、神皇漢方薬局までお気軽にご相談ください。医療機関での診断・治療を尊重しながら、体質・服薬状況を確認したうえでお話を進めます。

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本ページの内容は、漢方薬の剤形に関する一般的な情報をまとめた情報提供であり、特定の方の治療効果や効能を保証するものではありません。服用中の薬がある方、症状が急に悪化した方、妊娠中・妊娠の可能性がある方・授乳中の方は、主治医・薬剤師にご相談ください。
※ 漢方薬の体感には個人差があり、症状の変化を保証するものではありません。漢方相談は医療機関での診断・治療を尊重しながら、体質面のご相談として承ります。急な症状の悪化や救急の場合は、医療機関の受診を優先してください。

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  • この記事を書いた人

北浦 久貴|神皇漢方薬局

神皇漢方薬局の相談担当薬剤師。体質・服薬状況・生活背景を確認しながら、医療機関での診断・治療を尊重した漢方相談を行っています。関西伝漢研 理事長。

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