帯状疱疹の皮膚症状が落ち着いたあとも痛みが残る。そうしたご相談を、70代の男性からいただいた例をご紹介します。
ご相談のきっかけ
帯状疱疹そのものは医療機関で治療を受け、皮膚の症状は落ち着いた。ところが、そのあとも神経の痛みが続いている——帯状疱疹後神経痛と呼ばれる状態で、医療機関での治療を経たうえでのご相談でした。
ご相談で伺ったこと
帯状疱疹のあとの痛みのご相談では、痛みそのものだけでなく、周辺のことを順に伺います。痛みと一緒にしびれた感じがあるか。冷えると変わるか。眠りや食欲、疲れの残り方はどうか。医療機関でどんな治療を受けてきたか——そうした全身の状態を一つずつ確認します。問診の内容に加えて、糸練功も参考に体質面を確認します。
この方の場合、痛みとともに、しびれた感じが残っていました。
なぜその方向の漢方薬を考えたか
この方のご相談で押さえておきたい考え方が一つあります。帯状疱疹の最中と、皮膚の症状がおさまったあとに痛みだけが残る時期とでは、漢方で考える方向が違う、ということです。
皮膚に発疹や強い炎症がある時期は、体がウイルスと闘っている時期で、まず医療機関での治療(抗ウイルス薬など)が中心になります。漢方でも、その状態をふまえた考え方をします。一方、そのあとに残る神経の痛みは、闘いが終わってから、傷んだ神経とその周りの立て直しが課題になる時期です。同じ「帯状疱疹」という名前がついていても、体の中で起きていることが別なので、選ぶ漢方薬の方向も変わります。
この方はすでにこの段階でしたので、残っているしびれた感じに目を向け、患部のまわりの血流を整えることを考える方向の漢方薬をお飲みいただきました。
大事なのは、病名から漢方薬が自動的に決まるわけではない、ということです。帯状疱疹のどの段階か、痛みやしびれの残り方、そして全身の状態によって、答えは一人ずつ変わります。この病気について詳しくは帯状疱疹後神経痛の漢方相談、皮膚症状がある時期については帯状疱疹の漢方相談のページでもご紹介しています。
相談担当より
ご相談の中で、大きな期待のお言葉をいただきました。治る・治らないをお約束することは、私にはできません。それでも、その言葉に、しっかり務めなければと背筋が伸びました。お約束できるのは、痛みやしびれの出方と体調を一つずつ丁寧に見立て、経過に合わせてご相談を続けることです。
LINEでのご相談について
LINEは「帯状疱疹のあとの痛みの相談をしたいです」だけで大丈夫です。あとはこちらから順にお聞きしますので、うまく説明できなくても心配いりません。皮膚科やペインクリニックで受けている治療やお薬が分かるもの(お薬手帳など)があれば、あわせて教えてください。
新たな発疹が出た・広がっている場合や、目や耳の周りに症状がある場合(顔が動かしにくい、強いめまい、耳の聞こえにくさを伴う場合も同様です)、痛みが急に強くなった場合は、漢方相談より先に皮膚科などの医療機関の受診を優先してください。神経痛のお薬など、医療機関で処方されているお薬を服用中の方は、自己判断で変更・中止せず、主治医・処方医にご相談ください。
神皇漢方薬局 相談担当薬剤師:北浦 久貴
所属・役職:神皇漢方薬局 / 関西伝漢研 理事長
漢方相談・生薬に関する研鑽を続けながら、体質・服薬状況・生活背景を確認する漢方相談を行っています。
最終確認日:2026年9月16日

コメント