漢方

温経湯・ツムラ106で体重変化が気になる方へ|相談時に確認したいこと

温経湯(うんけいとう)またはツムラ106を服用中で、体重変化(むくみ・体重増減)や副作用が気になる方に向けて、漢方相談で確認している体質・服薬状況の観点をまとめました。

医療機関で温経湯を処方されている方も、市販品をご自身で選んで服用されている方も、自己判断での服用開始・服用中止は避けて、まずは主治医・薬剤師にご相談ください。

このページの位置づけは以下の3点です。

  • 温経湯の構成生薬や、医療用医薬品としての適応症を中立的に整理する
  • 服用前に確認しておきたい注意点(甘草によるむくみの可能性・妊娠中の扱いなど)を整理する
  • 服用していてしっくりこない方や、体重変化・副作用が気になる方が、漢方相談で確認することの一例を紹介する

このページは情報提供であり、特定の方の治療効果や効能を保証するものではありません。

こんな方を想定したページです
・温経湯(ツムラ106など)を服用していて、体重変化やむくみが気になる
・服用前に注意点や、ご自身の体質との相性を確認しておきたい
・冷え・月経の状態(生理痛・周期・経血量)が気になる
・温経湯と他の漢方薬・お薬との併用が気になる
・妊娠中・妊娠を希望される方で服用について迷いがある

温経湯の構成生薬と漢方での見方

温経湯は、以下の12種類の生薬で構成されている漢方薬です。

麦門冬(バクモンドウ)/ 半夏(ハンゲ)/ 当帰(トウキ)/ 芍薬(シャクヤク)/ 川芎(センキュウ)/ 阿膠(アキョウ)/ 甘草(カンゾウ)/ 桂皮(ケイヒ)/ 人参(ニンジン)/ 牡丹皮(ボタンピ)/ 呉茱萸(ゴシュユ)/ 生姜(ショウキョウ)

漢方での見方では、これらは大きく以下の方向性で整理されます。

  • 当帰・芍薬・川芎・阿膠:補血(血を補う)方向の生薬
  • 牡丹皮:駆瘀血(血の巡りを整える)方向の生薬
  • 麦門冬・人参:体を潤す方向の生薬
  • 呉茱萸・生姜・桂皮:体を温める方向の生薬

漢方では、温経湯は血を補いつつ巡りを整え、潤しと温めの方向を併せ持つ漢方薬として知られており、当帰芍薬散・桂枝茯苓丸・加味逍遙散・桃核承気湯と並んで「五大婦人薬」と呼ばれる代表的な婦人科向け漢方薬の一つに数えられます。

なお、これは漢方の見立ての一例であり、診断や治療効果を意味するものではありません。

温経湯の医療用としての適応症(添付文書から引用)

医療機関で処方される温経湯(医療用医薬品)の添付文書から、適応症を引用します。

【ツムラ医療用(ツムラ温経湯エキス顆粒 / 106)】
手足がほてり、唇がかわくものの次の諸症:月経不順、月経困難、こしけ、更年期障害、不眠、神経症、湿疹、足腰の冷え、しもやけ。
【コタロー医療用】
手足がほてり、唇がかわくものの次の諸症:月経不順、月経困難、こしけ、更年期障害、不眠、神経症、湿疹、足腰の冷え、しもやけ。
【クラシエ医療用】
手足がほてり、唇がかわくものの次の諸症:月経不順、月経困難、こしけ、更年期障害、不眠、神経症、湿疹、足腰の冷え、しもやけ。

各メーカーの記載は概ね共通しており、月経関連の症状や更年期、足腰の冷え、しもやけ、湿疹などが含まれます。実際の服用については、添付文書の内容や、処方された医師・薬剤師の指示をご確認ください。

温経湯(ツムラ106)の服用中に体重変化が気になる方へ

温経湯の処方には 甘草(カンゾウ) が含まれています。甘草を含む漢方薬では、体質や服用量・服用期間によって、体内のカリウムバランスが影響を受ける可能性が知られており、その結果として むくみ・体重変化 を感じる方がいらっしゃいます。

ツムラ106の服用と体重変化の関連を気にされる方がいらっしゃいますが、温経湯そのものに体重を増減させる作用が示されているわけではなく、上記のような 甘草によるむくみ を通じて体重の変化として感じられるケースがあると説明されることが多いです。

服用中にむくみや体重変化を感じた場合は、自己判断で続けたり中止したりせず、処方元の医師・薬剤師にご相談ください。なお、むくみの出方には個人差があり、食事内容(カリウムを含む野菜の摂取など)や生活状況による違いもあると考えられています。

先に医療機関で確認したい症状
以下のような症状がある場合は、漢方相談に先行して、医療機関での評価をご検討ください。
・短期間で体重が大きく増減した
・むくみが急に強くなった・全身のむくみ・呼吸苦を伴う
・血圧の急な変動・脱力感・手足のしびれ
・月経時以外の不正出血が続いている
・下腹部の強い痛み・しこりに気づいた
・妊娠の可能性がある、または妊娠中・授乳中である
これらは温経湯の対象範囲ではない疾患の可能性、または甘草を含む漢方薬の重篤な副作用(偽アルドステロン症など)の可能性があるため、内科・婦人科などでの評価が優先されます。

温経湯を服用する前に確認しておきたい注意点

他のお薬・漢方薬との併用

温経湯を含む漢方薬では、複数の漢方薬を同時に服用することで、甘草の合計量が増えるなど作用が変化することがあります。普段からお飲みのお薬がある方、他の漢方薬を服用している方は、処方元の医師・薬剤師にご相談ください。自己判断での組み合わせはおすすめしません。

妊娠中・授乳中の取り扱い

温経湯は古典的に婦人科系の処方として長く用いられてきた歴史がある漢方薬ですが、妊娠中・授乳中の服用については、自己判断ではなく、処方元の医師・薬剤師にご相談ください。妊娠の可能性がある方、妊娠中・授乳中の方は、医療機関で確認のうえ服用してください。

長期に服用を続けている場合

漢方薬はあくまで「薬」であり、自己判断で長期にわたって服用を続けることは避けていただくのが基本です。甘草を含む漢方薬は、長期服用によって偽アルドステロン症などの副作用が報告されることがあるため、医療機関で処方されている場合は処方医の指示に従い、漢方薬局で調合された場合は担当薬剤師にご相談しながら、服用期間や見直しのタイミングを確認していただくことをおすすめしています。

温経湯が合わないと感じる方へ 漢方相談で確認している観点

温経湯を服用していて、ご自身でしっくりこない、体調に違和感を感じるという場合があります。漢方相談では、その時に以下のような観点を一緒に確認していきます。あくまで一般的な観点で、個別の判断は実際のご相談で行います。

①体質の見立てが温経湯と合っているかを確認する観点

温経湯は補血と温め・潤しの方向に整える漢方薬として知られていますが、体質や月経の状態によっては、別の漢方薬の方が合うケースもあります。

例えば、五大婦人薬と呼ばれる代表的な婦人科系の漢方薬には、当帰芍薬散・桂枝茯苓丸・加味逍遙散・桃核承気湯などがあり、体質や症状の現れ方によって選択肢が異なります。漢方相談では、月経の状態(周期・経血の量や色・痛みの出方)・冷え・むくみ・体質・服薬状況・生活状況をお伺いした上で、医療機関での診断・治療を尊重しながらご相談を進めます。

②服用中に体調の違和感を感じた時の観点

温経湯の服用中に「いつもと違う」「むくみが気になる」「体重が変わってきた」と感じた場合は、自己判断で続けたり中止したりせず、処方元の医師・薬剤師、または漢方相談の専門家にご相談ください。

漢方相談で確認する一般的な観点としては、以下のような点があります。

  • 服用開始からの体調・月経の変化
  • 服薬中の他のお薬・サプリメント
  • 月経周期との関係
  • 冷え・むくみ・体重の変化
  • 食事内容(カリウム摂取など)や生活状況の変化

③漢方薬の製剤・形状による違いの観点

漢方薬には、エキス顆粒・煎じ薬・散剤などの剤形があり、メーカーによっても製法が異なります。温経湯の構成生薬「阿膠(アキョウ)」はメーカーによって扱いが異なる場合があり、剤形・メーカーの違いが体感に影響する可能性もあります。変更については処方元の医師・薬剤師にご相談ください。

関連する症状でお悩みの方へ

漢方相談では、医療機関での診断・治療を尊重しながら、体質・服薬状況を確認したうえでお話を進めます。温経湯に関連する症状でお悩みの方は、症状別の漢方相談ページもあわせてご参照ください。

漢方薬の組み合わせ方針については、当店の漢方薬のご相談・お取り扱いについて もあわせてご覧ください。

温経湯のご相談について

温経湯(ツムラ106など)の続け方・体重変化やむくみが気になる方・体質との相性・月経の状態・他のお薬との併用などでお悩みの方は、神皇漢方薬局までお気軽にご相談ください。医療機関での診断・治療を尊重しながら、体質・月経状態・服薬中のお薬を確認したうえで漢方相談をお受けしています。

LINEで相談内容を送る お電話: 072-464-1181 ご予約フォーム

メッセージは24時間お送りいただけます(営業時間内に順次返信)。

本ページの内容は、温経湯(医療用医薬品・一般用医薬品)の構成生薬や添付文書の適応症などをまとめた情報提供であり、特定の方の治療効果や効能を保証するものではありません。服用中の薬がある方、症状が急に悪化した方、妊娠中・妊娠の可能性がある方・授乳中の方は、主治医・薬剤師にご相談ください。
※ 漢方薬の体感には個人差があり、症状の変化を保証するものではありません。漢方相談は医療機関での診断・治療を尊重しながら、体質面のご相談として承ります。急な症状の悪化や救急の場合は、医療機関の受診を優先してください。

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  • この記事を書いた人

北浦 久貴|神皇漢方薬局

神皇漢方薬局の相談担当薬剤師。体質・服薬状況・生活背景を確認しながら、医療機関での診断・治療を尊重した漢方相談を行っています。関西伝漢研 理事長。

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