当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を服用していてしっくりこない方、服用前に体質との相性を確認したい方に向けて、漢方相談で確認している体質・服薬状況の観点をまとめました。
医療機関で当帰芍薬散を処方されている方も、市販品をご自身で選んで服用されている方も、自己判断での服用開始・服用中止は避けて、まずは主治医・薬剤師にご相談ください。
このページの位置づけは以下の3点です。
- 当帰芍薬散の構成生薬や、医療用医薬品としての適応症を中立的に整理する
- 服用前に確認しておきたい体質・服薬状況の観点を整理する
- 服用していてしっくりこない方が、漢方相談で確認することの一例を紹介する
このページは情報提供であり、特定の方の治療効果や効能を保証するものではありません。
・当帰芍薬散を服用しているが、ご自身ではしっくりこないと感じている
・服用前に注意点や、ご自身の体質との相性を確認しておきたい
・冷え・むくみ・月経の状態(生理痛・周期・経血量)が気になる
・当帰芍薬散と他の漢方薬・お薬との併用が気になる
・服用を続けるか、見直すかで迷っている
当帰芍薬散の構成生薬と漢方での見方
当帰芍薬散は、以下の6つの生薬で構成されている漢方薬です。
当帰(トウキ)/ 芍薬(シャクヤク)/ 川芎(センキュウ)/ 沢瀉(タクシャ)/ 白朮(ビャクジュツ)/ 茯苓(ブクリョウ)
漢方での見方では、これらは2つのグループに整理されます。
- 当帰・芍薬・川芎:補血(血を補う)方向の生薬グループ
- 沢瀉・白朮・茯苓:利水(水の巡りを整える)方向の生薬グループ
漢方では、当帰芍薬散は血と水の巡りを整える方向に用いられる漢方薬として知られており、加味逍遙散・桂枝茯苓丸・温経湯・桃核承気湯と並んで「五大婦人薬」と呼ばれる代表的な婦人科向け漢方薬の一つに数えられます。
なお、これは漢方の見立ての一例であり、診断や治療効果を意味するものではありません。
当帰芍薬散の医療用としての適応症(添付文書から引用)
医療機関で処方される当帰芍薬散(医療用医薬品)の代表的な添付文書から、適応症を引用します。
筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすいものの次の諸症。月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り。
筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすいものの次の諸症。月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り。
筋肉が軟弱で疲労しやすく、腰や手足が冷えやすいものの次の諸症。月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血・疲労倦怠・めまい・むくみ)、めまい、立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り。
各メーカーの記載は概ね共通しており、月経関連の症状や更年期、産前産後・流産による障害(貧血・疲労倦怠・めまい・むくみ)、冷え症・むくみ・しもやけなどが含まれます。実際の服用については、添付文書の内容や、処方された医師・薬剤師の指示をご確認ください。
当帰芍薬散を服用する前に確認しておきたい注意点
妊娠中・授乳中の取り扱い
当帰芍薬散は古典的に婦人科系の処方として長く用いられてきた歴史がある漢方薬ですが、妊娠中・授乳中の服用については、自己判断ではなく、処方元の医師・薬剤師にご相談ください。
妊娠の可能性がある方、妊娠中・授乳中の方は、医療機関で確認のうえ服用してください。
以下のような症状がある場合は、漢方相談に先行して、医療機関での評価をご検討ください。
・月経時の出血量が急に増えた・経血の塊が大きくなった
・月経時以外の不正出血が続いている
・下腹部の強い痛み・しこりに気づいた
・月経が長期間止まっている
・妊娠の可能性がある、または妊娠中・授乳中である
・むくみが急に強くなった、体重が短期間で大きく変わった
これらは当帰芍薬散の対象範囲ではない疾患の可能性があるため、婦人科・内科などでの評価が優先されます。
他のお薬・漢方薬との併用
当帰芍薬散を含む漢方薬では、複数の漢方薬を同時に服用することで作用が変化することがあります。普段からお飲みのお薬がある方、他の漢方薬を服用している方は、処方元の医師・薬剤師にご相談ください。自己判断での組み合わせはおすすめしません。
長期に服用を続けている場合
漢方薬はあくまで「薬」であり、自己判断で長期にわたって服用を続けることは避けていただくのが基本です。医療機関で処方されている場合は処方医の指示に従い、漢方薬局で調合された場合は担当薬剤師にご相談しながら、服用期間や見直しのタイミングを確認していただくことをおすすめしています。
当帰芍薬散が合わないと感じる方へ 漢方相談で確認している観点
当帰芍薬散を服用していて、ご自身でしっくりこない、体調に違和感を感じるという場合があります。漢方相談では、その時に以下のような観点を一緒に確認していきます。あくまで一般的な観点で、個別の判断は実際のご相談で行います。
①体質の見立てが当帰芍薬散と合っているかを確認する観点
当帰芍薬散は補血と利水の方向に整える漢方薬として知られていますが、体質や月経の状態によっては、別の漢方薬の方が合うケースもあります。
例えば、五大婦人薬と呼ばれる代表的な婦人科系の漢方薬には、加味逍遙散・桂枝茯苓丸・温経湯・桃核承気湯などがあり、体質や症状の現れ方によって選択肢が異なります。漢方相談では、月経の状態(周期・経血の量や色・痛みの出方)・冷え・むくみ・体質・服薬状況・生活状況をお伺いした上で、医療機関での診断・治療を尊重しながらご相談を進めます。
②服用中に体調の違和感を感じた時の観点
当帰芍薬散の服用中に「いつもと違う」「体調が落ち着かない」と感じた場合は、自己判断で続けたり中止したりせず、処方元の医師・薬剤師、または漢方相談の専門家にご相談ください。
漢方相談で確認する一般的な観点としては、以下のような点があります。
- 服用開始からの体調・月経の変化
- 服薬中の他のお薬・サプリメント
- 月経周期との関係
- 冷え・むくみの変化
- 体質や生活状況の変化
③漢方薬の製剤・形状による違いの観点
漢方薬には、エキス顆粒・散剤・煎じ薬などの剤形があり、メーカーによっても製法が異なります。剤形やメーカーの違いが体感に影響する可能性もありますが、変更については処方元の医師・薬剤師にご相談ください。
なお、当帰芍薬散の構成生薬「白朮(ビャクジュツ)」は、メーカーによっては「蒼朮(ソウジュツ)」が用いられている場合もあります。剤形・生薬の違いについて気になる方は、専門家にご相談ください。
関連する症状でお悩みの方へ
漢方相談では、医療機関での診断・治療を尊重しながら、体質・服薬状況を確認したうえでお話を進めます。当帰芍薬散に関連する症状でお悩みの方は、症状別の漢方相談ページもあわせてご参照ください。
漢方薬の組み合わせ方針については、当店の漢方薬のご相談・お取り扱いについて もあわせてご覧ください。
当帰芍薬散のご相談について
当帰芍薬散の続け方・体質との相性・冷えやむくみ・月経の状態・他のお薬との併用などでお悩みの方は、神皇漢方薬局までお気軽にご相談ください。医療機関での診断・治療を尊重しながら、体質・月経状態・服薬中のお薬を確認したうえで漢方相談をお受けしています。
LINEで相談内容を送る お電話: 072-464-1181 ご予約フォーム
メッセージは24時間お送りいただけます(営業時間内に順次返信)。
※ 漢方薬の体感には個人差があり、症状の変化を保証するものではありません。漢方相談は医療機関での診断・治療を尊重しながら、体質面のご相談として承ります。急な症状の悪化や救急の場合は、医療機関の受診を優先してください。
