「病院で抑肝散をもらっているけど、いつまで飲むんだろう?」
「飲んでいる日は、昼間なんだか眠たい気がする…」
「漢方薬も副作用があるって聞いたけど大丈夫かな?」
そんなあなたに、抑肝散(ツムラ54)ってどんな漢方薬で、続け方をどう考えたらいいのか、添付文書に書いてあることを手がかりに一緒に見てみましょう。
ご自身の分でも、お子さまやご家族の分でも、気になっているところは案外似ています。
この記事はこんな方におすすめ
- 抑肝散を飲んでいるけど、いつまで続けるのか迷っている。
- 飲んでいるけど、正直よく分からない…という方。
- 日中の眠気が気になる!ついでに家族の分も相談したい!
抑肝散の中身、なにが入っているの??
医療用の抑肝散は7種類の生薬でできています。
ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)の添付文書では、1日量7.5g中に次の生薬の乾燥エキス3.25gを含む、と書かれています。
ソウジュツ4.0g
ブクリョウ4.0g
センキュウ3.0g
チョウトウコウ3.0g
トウキ3.0g
サイコ2.0g
カンゾウ1.5g
以上7つの生薬が含まれています。
ところが、同じ「抑肝散」でも大杉製薬のオースギ抑肝散料エキスTGでは、ソウジュツのところにビャクジュツ4gが入ります。
残りの6種類は同じ生薬です。
PMDA(医薬品医療機器総合機構)の一覧を見ると、医療用の抑肝散エキス製剤として掲載されているのは、この2社の製品ですね。
「朮(じゅつ)」が1つ違うだけ、と思われるかもしれませんが、当店では「白朮」「蒼朮」の使い分けや「散剤」「煎じ薬」を体質に合わせてご提案しております。
お手元の箱や説明書に書いてある生薬の名前、一度見てみてくださいね♪
市販のツムラ漢方抑肝散エキス顆粒の方はというと、製品の特徴の欄に、原典である『保嬰撮要』に記載されている漢方薬で、体力中等度で、ストレスなどで神経がたかぶり、怒りやすい、イライラする方の「不眠症」「イライラ」「歯ぎしり」等に用いられています、と書かれています。
ここまではメーカーさんの説明書きの紹介であって、効果を約束するものではありません。
抑肝散はどんな人に使う漢方薬??
病院で処方される抑肝散(医療用医薬品)と、薬局で買える抑肝散(一般用医薬品)では、書かれている効能の範囲が違います。
まずは医療用から引っ張ってきますと…
虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症
ツムラも大杉製薬も、医療用はこの同じ文言です。
続いて市販品。
体力中等度をめやすとして,神経がたかぶり,怒りやすい,イライラなどがあるものの次の諸症:神経症,不眠症,小児夜なき,小児疳症(神経過敏),歯ぎしり,更年期障害,血の道症
並べてみると、書き出しが違いますよね。
医療用は「虚弱な体質で」、市販品は「体力中等度をめやすとして」。
市販品の方には歯ぎしり・更年期障害・血の道症も並びます。
「イライラもするし、眠れない日もあるし、私にも合いそう」
そう思っちゃいますよね。
ですが、漢方薬は後ろに並んだ症状の名前だけで決めるものではなく、その手前に書かれている体質の一文がけっこう大事だったりします。
お手元のものが医療用なのか市販品なのかで、書かれている範囲も変わります。
逆に、ここに書かれていないお悩みについては、このページでは扱っていません。気になる場合は医療機関でご確認ください。
ちなみに市販品の説明書では、効能・効果の欄が「小児夜なき」、使用上の注意の欄が「小児夜泣き」と、同じ紙の中で書き分けられています。
細かい話ですが、このページでもそれぞれの欄の表記どおりに引用しました。
同じ「不眠症」でも、書き出しの体質は処方ごとに違います。
例えば桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)。
オースギ桂枝加竜骨牡蛎湯エキスG(大杉製薬)の電子添文では、効能又は効果が「体質虚弱な人で疲れやすく、興奮しやすいものの次の諸症:神経質、不眠症、小児夜なき、小児夜尿症、眼精疲労」となっています。
抑肝散は「虚弱な体質で神経がたかぶるもの」、桂枝加竜骨牡蛎湯は「体質虚弱な人で疲れやすく、興奮しやすいもの」。
後ろに並ぶ「不眠症」「小児夜なき」は共通しているのに、書き出しは別物です。
同じ処方名でも製品によって文言が違いますので、見比べるときはお手元の製品のものをご確認くださいね。
当店でも、体質・症状・服薬状況・生活の様子を伺ってから考えていきます。
(もちろん、書き出しの一文だけで決めつけるのもよくないですが)
抑肝散加陳皮半夏(ツムラ83)とは何が違うの??
抑肝散とよく並べて出てくるのが抑肝散加陳皮半夏です。
名前のとおり、抑肝散の7種類にチンピ3.0gとハンゲ5.0gを足した9種類の構成です。
足し算の分だけ中身は違いますが、医療用の効能又は効果は抑肝散と同じ文言になっています。
どちらを使うか、組み合わせるかどうかは中身と体質から考えることですので、自分で足したり重ねたりするのはやめておきましょう。
一緒に飲んでいるお薬、カンゾウが重なっていませんか?
抑肝散にはカンゾウ(甘草)が入っています。
カンゾウを含む他の製剤と一緒に飲む場合の注意が、添付文書の相互作用の欄に書かれています。
カンゾウ含有製剤(芍薬甘草湯、補中益気湯、六君子湯 等)、グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤
→ 偽アルドステロン症があらわれやすくなる。また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる。
同じ紙の重要な基本的注意にも、「本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意すること」、そして「他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること」と書かれています。
カンゾウは、市販の抑肝散にも入っています。
漢方薬を2つ3つ飲んでいる方、市販薬と病院のお薬を一緒に飲んでいる方は、同じ生薬が重なっていないかが確認どころですね。
ご相談のときは、お薬手帳と市販薬のパッケージを、そのままお持ちいただくのが確実です。
病院のお薬を飲んでいる方のご相談も承っています。安全確認のため、飲んでいるお薬は全部教えてくださいね。
抑肝散はどのくらいで判断するの??
「効果っていつから出るんだろう??」
ご相談でもよく届く質問です。
面白いもので、添付文書に書かれているのは「効くまでの期間」ではなく、変わらない時に相談する目安の方なんですよね。
市販品の使用上の注意には、1ヵ月位(小児夜泣きに服用する場合には1週間位)服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、その文書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談してください、と書かれています。
医療用の方は、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること、と。
つまり「1ヵ月飲めば効く」という意味ではなく、変化がないまま飲み続けないための目安です。
体感には個人差がありますし、処方されている場合の期間の判断は処方医が行います。
様々なご意見があるかと思いますが、一番よくないのは「効果もないのに飲み続けること」ではないかと思っています。
ただ、これは「自分でやめましょう」という話ではありません。
病院でもらっている抑肝散をご自身の判断で中止・減量・変更するのはやめておきましょう。続けるか、やめるかは処方元の先生と決めることです。
変化がないまま何ヶ月も過ぎているなら、一度その話を相談の場に出してみましょう。
当店にご相談いただく場合も、まずは数週間〜数ヶ月の経過を見ながら、というのが一般的なところです。
その時に伺うのは、服用を始めてからの体調や症状の変化、一緒に飲んでいる他のお薬やサプリメント、体質や生活の変化、いま医療機関で受けている治療のことなどです。
最初から全部そろっていなくて大丈夫です。気づいたところからお話しください。
ちょうどいい服用期間は体質や治療の状況で変わりますので、このページで「何ヶ月」と一律にはお示ししていません。
長く飲んでいる方には、飲み始めてからの期間と、処方元で経過を診てもらっている頻度も、ご相談のときにあわせてお聞きしています。
いつ頃から飲んでいるか、1日何回・どのタイミングで飲んでいるかも、分かる範囲で教えてください。ご家族の分のご相談でもかまいません。
LINEで相談内容を送る お電話: 072-464-1181
メッセージは24時間お送りいただけます(営業時間内に順次返信)。
日中の眠気(傾眠)が気になる方へ
医療用の電子添文では、その他の副作用の欄に、精神神経系の症状として「傾眠」(頻度不明)が挙げられています。
ほかに、発疹・発赤・瘙痒などの過敏症、食欲不振・胃部不快感・悪心・下痢などの消化器症状、倦怠感の記載もあります。
眠気が生活に差し支えていると、つい飲む量や時間をご自身で加減したくなりますが、そこはぐっとこらえて、いつ・どのくらい眠くなるのかをメモにして処方元へお伝えください。
ご高齢の方については「減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。」と書かれていて、量の調整は処方医の判断になります。
お子さまについては「小児等を対象とした臨床試験は実施していない。」とも書かれています。
頻度不明の重大な副作用として、間質性肺炎・偽アルドステロン症・心不全・ミオパチー・横紋筋融解症・肝機能障害・黄疸が記載されています。服用中に以下のような症状に気づいた場合は、漢方相談に先行して、処方元または医療機関へご連絡ください。
・空せき、息切れ、呼吸が苦しい、発熱が続く
・手足のだるさ、力が入らない、筋肉痛、手足のこわばりやしびれ
・血圧の上昇、むくみ、急な体重の増加
・皮膚や白目が黄色くなる、褐色の尿、強いだるさ
お子さまの服用・継続は、必ず処方医の指示に従ってください。市販の抑肝散は、生後3ヵ月未満の乳児には服用させないこととされ、1歳未満の乳児は医師の診療を受けさせることを優先するよう書かれています。
市販の抑肝散では、「服用前に医師,薬剤師または登録販売者に相談してください」の対象に「妊婦または妊娠していると思われる人」が挙げられています。妊娠中の方・妊娠している可能性のある方は、処方を受けている場合も含め、服用の可否を医療機関へご確認ください。
お子さま・ご家族の分のご相談について
「子どもを連れて行くのが大変で…」という声も届きます。
当店では、保護者の方だけで先に状況をお伺いするケースも承っています。
ご家族の分のご相談でもかまいませんので、気軽にお声がけくださいね。
☆症状から探している方は下からどうぞ。
病名や症状から探している方に向けて、症状ごとの相談ページもご用意しています。
特定の漢方薬をおすすめするページではありませんので、診断・治療の内容は医療機関でご確認ください。
漢方薬の組み合わせ方針については、当店の漢方薬のご相談・お取り扱いについて もあわせてご覧ください。
最後に
いかがでしたか?
抑肝散は7つの生薬でできていて、効能又は効果の書き出しに体質の前提が置かれている漢方薬でした。
続けるか、やめるかで迷ったときは、その書き出しの体質と、いま飲んでいるもの全部を並べてみるところからです。
あなたのお手元にあるのは、医療用でしょうか、それとも市販品でしょうか?
神皇漢方薬局でも、医療機関での診断・治療をふまえながら、体質と服薬中のお薬を確認したうえで漢方相談をお受けしています。
費用が気になる方は、相談前に料金の目安もご確認いただけます。無理な購入をおすすめすることはありません。
もちろん当店でなくてもかまいません。漢方薬について真剣に考えてみようかな?と思われましたら、お近くの漢方薬局や漢方に詳しいお医者さんにお聞きくださいね。
LINEで相談内容を送る お電話: 072-464-1181 ご予約フォーム
メッセージは24時間お送りいただけます(営業時間内に順次返信)。
※ 漢方薬の体感には個人差があり、症状の変化を保証するものではありません。漢方相談は医療機関での診断・治療を尊重しながら、体質面のご相談として承ります。急な症状の悪化や救急の場合は、医療機関の受診を優先してください。

コメント